産業廃棄物収集運搬業とは?


 

 産業廃棄物処理業の許可申請においては産業廃棄物収集運搬業が全体の8割以上を占めますので、ここでは主に産業廃棄物収集運搬業について記させていただきます。

 

1、まず産業廃棄物とは?。

 

産業廃棄物とは事業活動に伴って生じる廃棄物です。具体的には以下の20種類及び輸入廃棄物があります。

 

・事業活動に伴って生じた廃棄物で、20種類及び輸入廃棄物

 

(1)あらゆる事業活動に伴うもの(12種類)

①燃え殻、②汚泥、③廃油、④廃酸、⑤廃アルカリ、⑥廃プラスチック、⑦ゴムくず、⑧金属くず、⑨ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず、⑩鉱さい、⑪がれき類、⑫ばいじん

 

(2)特定の事業活動に伴うもの(7種類)

⑬紙くず、⑭木くず、⑮繊維くず、⑯動植物性残さ、⑰動物系固形不要物、⑱動物のふん尿、⑲動物の死体

 

(3)(1)又は(2)の産業廃棄物を処分するために処理したもので、上記の産業廃棄物に該当しないもの

⑳政令第13号廃棄物

 

また産業廃棄物のうち、爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生じるおそれがある性状を有するものとして、「特別管理産業廃棄物」と言うものがあります。

この特別管理産業廃棄物はまた別の許可が必要となりますが、具体的には以下の4つを扱う場合です。

 

①廃油(揮発油類、灯油類及び軽油類に限る。)

②廃酸(ph2.0以下の物に限る。)、廃アルカリ(ph12.5以上のものに限る)

③感染性産業廃棄物

④特定有害産業廃棄物

燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、鉱さい、ばいじん、廃石綿等、廃PCB等、PCB汚染物、PCB処理物

これらは特定の排出源から排出され、所定の有害物質を基準値以上含むものに限る。

 

これら規定する産業廃棄物は当該産業廃棄物を排出した事業者に処理責任があり、排出事業者自ら処理するか、産業廃棄物処理業者に処理を委託する必要があります。

 

産業廃棄物以外の廃棄物は一般廃棄物に分類され、原則は市町村に処理責任があるとされています。

 

 

2、許可について

 

産業廃棄物処理業とは、他者から委託を受けて産業廃棄物の処理(収集・運搬又は処分)を行うことをいい、取り扱う産業廃棄物の区分(産業廃棄物又は特別管理産業廃棄物)ごと、処理方法(収集・運搬、処分)ごとに、以下の4種類があります。

 

産業廃棄物処理業の種類

1、産業廃棄物(処理方法:収集・運搬)業務種類/産業廃棄物収集運搬業

2、産業廃棄物(処理方法:処分)業務種類/産業廃棄物処分業

3、特別管理産業廃棄物(処理方法:収集・運搬)業務種類/特別管理産業廃棄物収集運搬業

4、特別管理産業廃棄物(処理方法:処分)業務種類/特別管理産業廃棄物処分業

 

産業廃棄物処理業を営もうとする者は、業の種類ごとに、当該業を行おうとする区域を管轄する都道府県知事等の許可を受けなければなりません。

収集・運搬に関しては積み卸しを行う区域を管轄する都道府県知事等に限り許可を受ければ良く、通過する都道府県での許可は必要ありません。

例えば東京の解体工事現場で発生したコンクリートがらを車両に積込み、千葉や埼玉を通って茨城県にある処分業者まで持ちこむ場合、東京都と茨城県での産業廃棄物収集運搬業(ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず)の許可を取れば良く、積み卸しを行わない千葉や埼玉の許可は要りません。

また排出事業者自ら産業廃棄物を処理する場合には、他社から委託を受けて産業廃棄物を処理するものではないため、産業廃棄物処理業の許可は要りません。

 

3、許可の申請種類と期限

 

例えば茨城県で産業廃棄物処理業を行うとしたら、茨城県知事あてに許可の申請を行い、許可を受けなければなりません。 許可の種類には以下の3種類があります。

 

①新規許可申請:産業廃棄物処理業の許可を新たに受けようとする場合の申請です。

②更新許可申請:5年(又は7年)ごとの更新の許可を受けるための申請です。

③変更許可申請:処理業の許可を受けている者が事業の範囲を変更するための申請です。種類の追加も変更になります。

 

許可の有効期限は5年(優良産廃処理業者認定制度に係る認定業者は7年)です。

許可のあった日から5年目の許可の前日をもって終了します。更新の場合は許可満了日までに手続きをとりませんと、期間満了と共に失効し、営業はできなくなります。

但し、許可満了日までに新たに更新の許可を得なければならない建設業許可とは異なり、こちらは許可満了日までに手続きを取れば、満了日以降から許可が出るまでも引き続き営業は可能です。